経穴の正確な位置を知るには、人体模型を使う

仙道や気功をやっていて、一番、困るのは、経穴の正確な位置を知ることである。

普通、経穴の位置を知ろうとすれば、「気」で観る人体-経絡とツボのネットワーク (講談社現代新書) などの類書を使用するのが普通であるが、位置のよくわからない経穴が必ず出てくる。

そこで、正確な経穴の位置を知るには、WHO規格の経絡模型を使うことである。日本で最も安価で信頼できる経絡模型に、けいけつくんというのがある。そう、整体院なんかに置いてあるアレである。

このけいけつくんのすごいところは、人体の全経穴名のみならず、人体の陰陽五行論がカラーで一発でわかるようになっていることである。陰経の流注では寒色系の青色を使用し、陽経の流注では暖色系の赤色を使用し、陰陽が一発でわかるのに加え、さらに五行が視覚的にわかるようにできており、身体各部に5色の色が配当されている。また、五行の正穴は黒色、奇穴は赤色にて区別して表示されている。これにより、各経穴がどんな意味や機能を司っているかが一目瞭然なのである。

最新バーションは、けいけつくんⅡである。仙道や気功を実践する中級者以上の者には必須のアイテムである。

けいけつくんⅡ(WHO新規格準拠、日本語表記)


松鶴 天書―天統の仙道指針書

この本は、韓国仙道<石門呼吸>のテキストとして使われている本であるが、中味は、まぎれもなく伝統的な仙道そのものについて書かれている。ぜひ韓国という単語を取っ払って考えて欲しい。韓国という単語を取り払ってみれば、この本は、小周天から出神までの伝統的な仙道の階梯を一つ一つ進んでいくための、非常に明快でシステマチックなテキストである。仙道で客観的な視点を欲している人は、入手困難本ではあるが、ぜひ入手して読んで欲しい本である。

天書―天統の仙道指針書


仙道や小周天を本格的に師に付いて習うには

現在、仙道や小周天を本格的に師に付いて習おうとしたら、首都圏の場合、下記のような6つくらいしかしっかりした気功教室はない。この“しっかりした気功教室”という意味は、師匠の人物性や気功指導能力の高さだけを指しているのではなく、仙道や小周天の「修行の階梯」がはっきりしているか否かを指しており、大変重要な事柄である。

伝統的な仙道・小周天修行の階梯は5つに分けられ、次のようになっている。
Ⅰ. 築基
Ⅱ. 練精化気
Ⅲ. 練気化神
Ⅳ. 練神還虚
Ⅴ. 還虚合道

この5つの階梯は、さらに各段階でそれぞれ細分化されており、伝統的仙道であれば、16~20段階にもなる。修行者にとっては、「自分のレベルは、今、どの辺りにあるのか?」が大体わかるようになっている。これをきちんと指し示しているかどうかが、仙道・小周天の教室としてしっかりしているかどうかを表している。

自分のレベルを客観的に知ることによって、修行者が今の段階で何をやって行けば良いのか?、どうすれば次の段階へ行けるのか?を知ることができる。これが、良い気功教室の特徴である。良くない気功教室へ行くと、この「修行の階梯」がよくわからない。だから、修行者は壁にぶち当たって、そのままとなってしまう。仙道・小周天に関して良い気功教室を探している人がいたら、まず、この基準で気功教室の良し悪しを判断していただきたい。

そして、「修行の階梯」がしっかりしていると言っても、もちろん、最初は、築基段階でものすごく動功に重きを置くところや、タントウ功でエネルギーを貯めてから静功に入るところなど、各指導者により、練功内容は千差万別である。個人個人の性格による気功への取り組み方の違い、意識の違い、師匠との相性という問題があるので、自分に合う師匠選びは、何度も慎重に行なって欲しい。

<「修行の階梯」がはっきりしているしっかりした仙道・小周天気功教室>

・道家龍門派 神山道元(屠文毅)氏
http://blog.livedoor.jp/kinoigaku/

・ユニバーサルタオ 謝明徳氏
http://www.universal-tao.com/

日本におけるユニバーサルタオのワークショップ・情報については、次の有力なお弟子さん3氏から得られる
大内雅弘氏
http://www.taozen.jp/

永江多鶴子氏 毎年タオガーデンから上級インストラクターを招いてワークショップをやっている
  千葉県在住 tazuna@pop16.odn.ne.jp

小木曽多香子氏 熱心で元気なユニバーサルタオインストラクターである
  京都市南区吉祥院高畑町58

・韓国仙道<石門呼吸> ハンダン氏、松鶴氏
http://www.sekimon.net/

・無為気功養生会 廖赤虹氏、廖赤陽氏
http://www.muikiko.com/

・気功革命 盛鶴延氏
http://www.kikoukakumei.com/

・喜臨門気功 牛丸天真氏
http://ki-ten.sakura.ne.jp/ki/index.html


マンタク・チャ(謝明徳) 五行帰一

マンタク・チャ(謝明徳)師によると、ヒーリングタオには、小周天を何度も繰り返し、小周天に完璧に習熟した後、さらに上級者向けの瞑想法があるという。それは、否定的な感情エネルギー(五志)を、五行の相剋サイクルを使って、肯定的で有用な生命エネルギーに浄化・変換するというものだという。これは、小周天を修得した後の次の段階として学ぶ瞑想法である。これを、「五行帰一」という。

そのやり方は、体内の五行の顕現である五臓(心・肺・脾・肝・腎)のエネルギーを融合して一点に集め、生命のエッセンス(丹)に凝縮して、珠(パール)を形成する。このパールは、小周天の経脈(任脈・督脈)を循環し、循環しながら、星辰(北極星)、宇宙粒子、自然界からのエネルギーを吸収し、活性化する。さらに臓器、腺、五官(感覚器)、心(マインド)を強化し、浄化する。

つまり、天・地・人を表す3つのエネルギーが調和して働き、万物の存在を維持していることに気づくようになる。この本「五行帰一」は、タオの上級気功瞑想の基本と応用を、平易な語り口で解説している。また、宇宙と個人とのつながりを表す綺麗で精妙なイラストが多く使われている。これにより、英語圏の外国人にも一目で何をやっているのかがわかりやすい構成となっている。ただし、上級者向けの1冊!!

五行帰一