日本の仙道界について必ず触れなければならない組織に、「仙道連」がある。仙道連については、ここを読んで欲しい。この仙道連で、五千言坊玄通子師に師事したのが、小野田大蔵である。小野田氏は、この大陸・道観の流れを持つ正統な仙道の伝人となった。この小野田氏が著した大陸仙道の決定的な著作が、この本「現代仙道百科」である。仙道とは何か?から始まり、斎戒養生門(数多くの導引法、数多くの服気法、八段錦、素食法)を実践できるように紹介し、次の安処制感門(数息観、日想観、月想観、地想観、軟酢観などの座功)や、存想統覚門(内観、内部統覚法、外部統覚法)などを行い、坐忘還元門(練精、練丹法、小周天、大周天、出神、坐忘)へと進んでいく。さらに、その先に神解自在門(還虚、合道)がある。これら大陸仙道の5大門の修行階梯を事細かに書いた人は、小野田氏をおいて他にはいない。まさに大陸仙道の大百科というのに、ふさわしい内容の良書である。通読した後は、仙道の辞典のようにして使うことができる。
現代仙道百科―心身改革の秘法体系