高藤氏と並んで、どうしても忘れられないすばらしい仙道家に、島田明徳氏がいる。
仙道の巨人・高藤氏の存在があまりに大き過ぎるので、その影に隠れているが、島田氏もまた仙道の道を求める求道者としての姿勢がすばらしい。まず島田氏がどんな仙道体験を成し得たかは、ここを読んでいただきたい。なぜ島田氏の姿勢がすばらしいかというと、仙道の行を、師から習う度に、一つ一つ、これで大丈夫だろうか?これで本当にいいのだろうか?と、率直な疑問や不安を抱きながら、一生懸命にやっていく姿を、隠すことなくこの本に書いている点である。この姿勢こそ、まさに仙道修行者の最も忘れてはいけないあるべき姿勢である。それが、仙道の各段階でありのままに書かれているのである。こんなに正直な人はいない。こういう人を、神様は放っておかないだろう。小周天を成し遂げようとも、クンダリニーが上昇しようとも、不安を抱えながら、一つ一つ、一生懸命に山を登るようなこういう人こそ、仙道の視界が開けていくのである。そのひたむきさは、すべての気功・仙道修行者が、普段、立ち返らなければならない原点であり、気功や仙道を前進させるすばらしい原動力だからだ。私は、この本だけは置いておきたいと思う。そんな良書である。
「気」の意味―仙道が伝える体の宇宙
それから、島田氏の著作では、もう一つ、絶対に忘れられない良い著作がある。それは、なぜ病気は起きるのか?という病気そのものの原点に立ち返って、病気発生から癒しまでをとことん追求した本である。悟った仙道家だからこそ書ける、心身両面にわたる病気発生メカニズムを徹底的に追求している。病に苦しむ人間は、とかく肉体にばかり目が行きがちだが、実は、心の作用は大きく、心身の調和関係の回復こそ、病気の治癒には大切だということがわかる。そのことに気づいた者だけが、医者も見放すような病気が奇跡的に治癒してしまうのである。その奇跡的な例が数多く載っている。なかなか治らない慢性病や難病に苦しむ人は、絶対に読むべき本である。
「病」の意味―身体と心の調和法