高藤 聡一郎 仙人暝想法

高藤氏が、大陸書房から1981年に出した第四作目の著作である。

この本は、前3部作「仙人入門」、「仙人になる法」、「仙人不老不死学」で書ききれなかった部分、すなわち、精・気・神のうちの神(しん)の修行を深く掘り下げた優秀作。気の修行における、いわゆる命功(肉体の修行)に対する性功(意識の修行)分野に特化して書かれた力作である。性功では、修行方法として、瞑想法が一番重要になってくる。

本格的な瞑想法とはどんなものか?に始まり、誰にでもできる表層瞑想法を最初に紹介。続いて、気を感じる人間の超感覚について述べ、クンダリニー瞑想法、深層瞑想法へと話が深まっていく。仙道のより高いレベルへ行くために、超意識の修行への奥深い洞察がよく描かれている。また、当時の脳科学的な視点からも言及しているのが、高藤氏の良いところである。

今でも、性功に関する良書は、マンタク・チャ(謝明徳)氏のユニバーサルタオ関連本以外にはない、と思っているが、この本は、性功に関する唯一のよくまとまった本となっている。超能力などの言及の多い商業路線の学研本よりも、大陸本の方が、仙道について、高藤氏は、誠実で良い仕事をしたと言われる由縁である。

仙人瞑想法(1981)