高藤氏が、大陸書房時代の1981年に出した第五作目の著作である。
この本は、書名にある通り、健身法、即ち、肉体強化を気と漢方の視点からどのように強化していくか?について詳しく書かれている。仙道修行者が普通人よりも強健な体を作るために、漢方薬方剤の紹介に始まり、漢方薬草の混合の仕方や、高藤氏ならではの漢方薬剤の組み合わせなどを知ることができる。
後に、1990年代、高藤氏率いる「中国仙道の会」(東京)にて、さまざまな生徒さんに、仙道と練気功を教える中で、最も簡単な強精法として、「気功修行者は、毎日、養命酒(現在でも漢方薬草だけで作られている薬酒)を飲むこと」が強く推奨されていた。が、当時の私は、よくわからなかった。しかし、今、思うと、これは、最も手に誰もができる一番簡単な強精法であったことがわかり、シンプルで非常に理にかなっている方法であるということができる。
高藤氏は、いつも昨日よりもさらに今日は簡単にできる方法はないか?と常に考えている人であったのだ。漢方の助けを借りた強精法について知りたい方には、大変、おすすめできる良書である。
タオ健身法(1981)