高藤 聡一郎 仙道未来予知 察気の法

高藤氏が1997年に著した最後の著作(学研本では第12作目)である。察気の法とは、古代中国において、天地に充満する気の状態を読み、未来に起こることを予知する「察気術」のことである。気功を毎日5年以上長く続けて練功すると、誰でも直感力が冴えて来る。これは、気功による体内の気の精製が進み、精神の浄化がなされるからだ。そこで、高藤氏は、察気をするための秘伝の方法を、古来からの面倒な方法を排除し、実践しやすいものだけを残し、現代人向けにだれもが未来を予知できる実践テクニックとして再編成し、この本をまとめた。特に、中盤にある「気による兆候の読み方」は、本書の中でも最重要事項である。これは、気の感覚化のレベルを修了し、肉体と精神がよく浄化されていなければできない上級レベルのトレーニングを指しているからだ。この本は、気功初心者が手にとれば、一見、内容が薄いように感じる。しかし、それは表面的な理解による誤りで、熟練した練功者しか感知できない気の感覚が問われるレベルのこと―集合的無意識にアクセスしてそこから情報を得る真理―を書いている。自然科学でも何でも、奥深い真理は、まったく単純でシンプルなものなのである。

仙道未来予知 察気の法