高藤氏が1991年に著した第9作目の著作である。この本のテーマは、仙道の究極目標である福・禄・寿(幸福・富裕・健康)の願望を実現するための「方術」についてである。中国大陸の道観(道教寺院)では、現代でも様々な方術(魔術)を行い、現世利益や個人の願望を実現させるということが日常行われている。高藤氏が取ったアプローチは、術遁甲(奇門遁甲や金函玉鏡などの方位術・占術)と法遁甲(方術)の2つに大別される遁甲書の徹底研究から、八門・九星・十二神の空間エネルギーを利用すれば、様々な願望実現や不思議現象、時間のかかる仙道内功の効果を飛躍的に高められることの発見が述べられている。八門・九星・十二神と言えば、まさに八門遁甲の象意と同一である。高藤氏曰く「私の方法は、易(実は遁甲も易から派生している)と風水をそのまま魔術に応用したもので、遁甲真経のものよりもわかりやすく、スッキリした体系になっている。なにしろ気のパワーの強化法が遁甲布盤と色彩イメージ法のみでやれるからである。」と述べ、最強の八門パワーを使う効果の最も早い八門遁甲瞑想から、遁甲九星瞑想、宇宙流瞑想、生命循環瞑想と順次行い、八門のエネルギーを我が物とするやり方がこれでもかこれでもかというくらい書かれている。また、個別の問題で八門のどのエネルギーを用いれば良いかということが具体的に詳しく書かれている点が秀逸である。各瞑想のやり方は遁甲布盤と色彩イメージを使うだけなので非常にやりやすい。(遁甲布盤付き)
仙道魔術 遁甲の法
また、この不思議な力を発揮する遁甲布盤の研究を行っていた高藤氏が、「符呪図を用いるとなぜか容易に気功のレベルアップを図ることができる」という原理を発見したのが、この著作・仙道符咒気功法である。符呪の図形・線・曲線に合わせて練気功をトレーニングすると、通常よりも早く気の強化ができるということが述べられている。拡大コピーして使用できる様々な符呪図が付いている。そして、さらに「仙道魔術 遁甲の法」にまつわる興味深いエピソードも複数載っている。
仙道符咒気功法