マンタク・チャ(謝明徳)師によると、タオの伝統では、人間の霊性の発展段階を、「精(性エネルギー)」→「気(生命エネルギー)」→ 「神(しん)(霊性のエネルギー)」として捉えている。しかし、ここに男女の体の違いにより、男性の場合、射精によって性エネルギーが放出されてしまうが、女性の場合は性行為ではなく、月経や排卵によって失われていく、という男女別のエネルギーの流れが存在する。
「タオ 性科学 男性編」では、男性の場合、「精」は体内で常に生産されているため、浪費を防ぎ、そのエネルギーを、「気」→「神(しん)」へと変容させることで生命エネルギーを高めていくことができる方法を紹介している。
「パワーロック法」:精液を封じ込める。骨盤部を鍛えるエクササイズ。
「外閉法」「内閉法」:小周天を行い、性エネルギーである甘露を金華へと引き上げる。
「還精補脳法」:外閉法を行った後で、性エネルギーを頭部へ循環させる。
タオ 性科学 男性編
「タオ 性科学 女性編」では、女性が性エネルギーである「精」を修養し、「気」→「神(しん)」へとエネルギーを変容するための数々の訓練法が紹介されている。
「卵巣呼吸」:卵巣のエネルギー(陽の気)を心(マインド)の力によって小周天の経脈(任脈と督脈)に注ぎ、循環させることによってエネルギー変容の基盤をつくる。
「還精補脳法」:オルガズムによって放出される器官や腺のエネルギーを、卵巣呼吸によって精製された性エネルギーと混ぜ合わせ、再び小周天の経脈に沿って脳へと送り、神経系を通じてエネルギーを全身に行きわたらせる。
そして、本書では、男性編で部分的に触れた「男女相修法」について、図版約50点を配して、数々の技法を詳説しており、ヒーリングタオ・システムの実践者からホリスティックな治療家まで、大いに役立つようになっている。
「男女相修法」:男性のもつ陽のエネルギーと女性のもつ陰のエネルギーを、性行為を通じて交換する。この際、お互いの小周天の経脈を8の字に交差させることによって、エネルギーを循環させ、陰陽の極性バランスを図る。
タオ 性科学 女性編